レート交渉に使える材料は日常の翻訳作業に転がっている

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2022年夏に、翻訳の仕事を受けているクライアントからワード単価の翻訳レートを10%上げてもらいました。

詳しくは以下の記事でご紹介していますが、記事の中でも記している通り、レート交渉にはクライアントを納得させるための材料が必要です。

いくら翻訳者が「高い品質の翻訳をした」、「納期通りに納品をした」と伝えても、クライアント側からしたら「当然のこと」でレートアップの材料には、足りないのです。

レートアップの交渉材料として必要なのは、クライアントがこの翻訳者に助けられた、この翻訳者はプラスアルファのことをしてくれたという実例です。

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個々の翻訳作業でもレート交渉の材料を探して実行する

会社員だと、査定の時期が近づいてくると急に仕事を頑張り出す人、っていますよね。

それをやって、吉と出るか凶と出るかは一概には言えませんが、周囲からは「今だけでしょ」といった突っ込みが入るのは至極当然です。

それと一緒で、翻訳もレート交渉をしようと思った時期だけ、何かをアピールすると、「交渉のため」という目で見られてしまいます。ですので、一定の時期だけではなく、日常の翻訳作業でも、年間を通してレート交渉の材料になりそうなことを探して実行するのがオススメです。

レート交渉のアピールをする、というと語弊があるように聞こえますが、クライアントや他の翻訳者の役に立ちそうなことを積極的に行っていく、ということです。

クライアントの助けになる実例を増やすのが近道

大それたことをする必要はなく、むしろ小さなことをコツコツと、クライアントの助けになることを何でもしていくことです。

クライアントも人間なので、何か助けになることをすれば、その翻訳者に対する印象がプラスになり、そのような出来事が積み重なっていくと、ますますそのプラスが大きくなっていきます。

「単にコンテンツを翻訳するだけ」の翻訳者よりは、一歩も二歩も先へ進むことができるんです。

特に多言語への翻訳が行われている場合は、比較対象が他の言語の翻訳者になるでしょう。他のどの翻訳者よりも、クライアントに役立つ翻訳者だと認識してもらえれば、レート交渉でぐっと有利になるはずです。

助けになった実例の紹介

とはいえ、普通に翻訳する以外に何をするの?と思うかもしれませんので、クライアントにしたことで感謝された出来事をご紹介したいと思います。

読んでみれば、何だそんなことと思うようなことです。

でもそれをするかしないか、でクライアントの印象は大きく変わってくるはずです。

繰り返しますが、ほんの些細なことです。でも他の翻訳者は誰もやらなかったことです。

原文をWord文書に起こす

ある翻訳タスクで、2つのURLを提示されて、「このウェブサイトを翻訳してください」、というものが、複数の翻訳者にアサインされました。

その2つのサイトは、そこそこのボリュームがあり、ただ納期が結構タイトなものでした。

サイトを確認すると、部分的に2カラムだったり3カラムだったり、カルーセル・スライダーがついていたり、他にもヘッダーやフッターがあり、どこからどこまで翻訳するべきなのかが一見では分からない構造でした。

案の定、ある翻訳者は「翻訳対象が分かりません」、別の翻訳者は「納品形態はWord文書?」とコメントしており、翻訳言語によって、納品物・納品形態にバラつきが出るのではという懸念がありました。

そこで、納期が迫っていたことから、私はウェブサイトのコンテンツそれぞれををコピー・ペーストして、Word文書2つに起こしました。

さらに、翻訳タスク上にて共有したところ、クライアントにも喜ばれましたし、他の翻訳者からもお礼を言われました

最初、ソースを表示してhtmlファイルに起こそうかと思ったのですが、ソースが入れ子状態になっていたために、ウェブサイトの一部しかソースとして抽出できなかったので、この方法は諦めました。

Word文書に起こすのにかかった時間は、試行錯誤を含めて、15分くらいでした。

Word文書に起こしたときの流れ
  • 1
    クライアントから翻訳タスクがアサインされる

    提示されたのはURL2つのみ (ファイルがない)

  • 2
    翻訳者から質問が上がる

    「翻訳対象が分からない」、「納品形態は?」

  • 3
    私:ウェブサイトのコンテンツをコピーペーストしてWord文書に起こす
  • 4
    私:そのWord文書を翻訳タスク上で共有
  • 5
    クライアント・他の翻訳者から喜ばれる

なお、Word文書に起こしたことで、以下2つのメリットがありました。

翻訳ファイルをWord文書に起こしたことのメリット
  • 原文が1つになるので、複数言語間でのブレがなくなる
  • クライアントは原文と訳文のマッチングができる (1対1で照合ができ、ウェブサイトに翻訳を載せるのが楽になる)

そもそも、原文をファイルで提示するのはクライアントの仕事だと思いますが、それは言いません。言ったところで、自分の印象が悪くなるだけで、誰も得をしないからです。

管理人
管理人

思ったことを口に出すタイプでしたが、ここ数年で大人になりました

他にもクライアントに対してだけではなく、翻訳者に対しても、原文の誤字脱字の指摘や、参考となるURLの共有などを積極的に行なっていると、クライアントの目に留まるはずです。

「クライアントの目に留まるように」と言うと、狡猾な印象を受けると思いますが、どんな感情を持たれようとも、自分の行動がプラスに働くのであれば、結果オーライだと思っています。

個々の翻訳作業でもレート交渉の材料がたくさんある

翻訳の仕事をしているときは、仕事をくれる「クライアント」が翻訳者にとっての顧客です。

翻訳したコンテンツを利用したり読んだりするユーザーは、二次的な顧客だと私は考えています。一時的な顧客は、クライアントです。

私は、そのクライアントをハッピーにするのが、翻訳者の仕事だと考えていて、ハッピーにした材料が多ければ多いほど、レート交渉を有利に持っていけるはずだと思っています。

とはいえ、材料は集めようと思ってすぐに大量に集められるものではないので、常日頃から、翻訳作業を進めながら、クライアントがハッピーになれるネタを探して実行していくのがオススメです。

レート交渉に使える材料は日常の翻訳作業に転がっている・まとめ

レート交渉は1年に1回が限度かなと考えているのですが、その1年に1回のために、直前だけ頑張ると、あまり印象が良くありません。

それに、レート交渉に使える材料は、日常の翻訳作業にたくさん転がっているはずですので、その材料を逃さずに、クライアントがハッピーになるネタに作り替えていく作業をコマメに行なっていくことが近道になります。

クライアントにとって、翻訳作業をするだけの人から、常日頃から、翻訳作業にプラスして何か役立つことをしてくれる翻訳者になると、レート交渉がスムーズに進むでしょう。

この記事が翻訳者のあなたに役立てばうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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