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英日翻訳のレートを2年半で20%Up|達成のためにやったこと

翻訳
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好きな仕事をもっと好きにするには、やはり金銭的なモチベーションを高く保つ必要があると思っています。

いくらやりがいがあっても、食べていかなくてはいけないからです。

ニンジンを馬の目の前に吊るすように、自分の目の前にも、「翻訳の報酬」を吊るしてモチベーションを上げていかなくてはいけないと考えています。

ただ、その報酬の元になる翻訳レートが長い間、同じままでは、金銭的なモチベーションは高くなりません。

黙っていても翻訳レートは上がりませんので、クライアントに「レートを上げても使いたい翻訳者」と認められるために、どんなアクションを取ったのかを当記事でご紹介したいと思います。

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2年半かけて翻訳レートを20%Up

私が契約している数少ないクライアントの1社と、最初の契約から約2年半経過したタイミングで、2度目のレート交渉をしました。

  • 1回目は契約から約1年半経過したタイミングで、10%Up
  • 2回目は契約から約2年半経過したタイミングで、さらに10%Up

2回目の交渉後のツイートはこちら:

Twitterのツイート (@Ling_2013)

翻訳レートUPのためにしたこと

1回目のレート交渉については、以下の記事でご紹介しています。

上記の内容に加え、今回のレート交渉では、以下の内容も含めました。

  • CATツールの導入
  • 受け取ったフィードバックに提案
  • レートUpで、クライアントが得られるメリットを説明

CATツールの導入

翻訳の仕事をしている人なら、CATツールの使用はデフォルトだと思われますが、私はコスト面から、実際に導入するまで時間がかかりました。

ところが、色々調べていくうちに、Memsourceは無料で使用できることが分かり、心配していたコストをかけずに導入できました。

とはいえ、無料だった「Memsourceパーソナルエディション」は、2022年6月をもって終了となりました。

よって、2022年8月末から、「Memsourceチームスタートエディション」への移行を予定しており、月額29ドルの支払いが必要となります。

実際に移行したら、あらためて記事にしたいと思います。

料金のお話はさておき、CATツールの導入により、翻訳の品質を上げることができました。

具体的には以下のメリットがありました。

  • 用語ベースの使用・翻訳メモリの使用
  • フィルタ機能・置換機能
  • QAチェックの実行

用語ベースの使用・翻訳メモリの使用

クライアントの提供する用語集を、Memsourceに取り込むことができます。また、過去に翻訳した内容を翻訳メモリとして蓄積することができるので、同じような原文にあたったときに、それを応用して翻訳ができるので、精度と速度を上げるのに役立っています。

フィルタ機能・置換機能

こちらのクライアントの場合、原文はWord文書やExcel文書で提供されることが多いです。WordでもExcelでも置換機能は備わっていますが、Memsourceを使用すれば、特定の文字列 (原文内でも訳文内でも) でフィルタをかけることができ、左右に原文・訳文を並べて比較することができます。

さらにフィルタをかけた状態で、置換機能を使用することもできるため、効率よく翻訳作業を進められます。

QAチェックの実行

たまに、原文がhtmlの場合があるのですが、WordやNotepad++で開くと、翻訳対象の文字列のみならず、htmlタグも、タグのままで画面上に表示されるため、誤って編集してしまうことがあります。

その点、Memsourceで開くと、タグは記号のように表示される上、原文と訳文でタグに相違があると、QAチェックでエラーが出るので、誤りに気付くことができます。

この点でも、精度向上にCATツールが役立っているといえます。

受け取ったフィードバックに提案

こちらのクライアントの場合、納品後にすべての翻訳がチェックされるわけではないので、フィードバックを受け取ることもあれば、受け取らないこともあります。

どちらかといえば、受け取らないことの方が多いです。

とはいえ、受け取ったフィードバックはとても貴重なので、今後に漏れなく活かせるよう、きちんと自分用に記録をしておきます。

そして、記録をするのと併せて、もう少し効率の良い方法がないかを考え、もしあれば、逆に提案をすることもあります。

たとえば、以下のようなことを提案しました。

  • 用語集の更新を依頼する
  • 用語集のメンテナンス方法について提案をする

前者については、用語集のメンテナンスが追い付いていないようだったので、実際に受け取ったフィードバックを元に、用語集の更新を依頼したことがあります。

後者については、用語集に更新履歴がなく、更新内容が分からないという欠点があったため、用語集そのもののメンテナンス方法について提案をしたことがあります。

いずれも、翻訳者として自分も楽になるけれど、クライアントにとっても、メリットとなることを意識しました。

用語集のメンテナンスは、当然といえば当然です。が、翻訳先の言語が日本語のみではなく、他言語も併せて10言語ほどになるため、社内リソースが不足しているようだったので、翻訳者の立場で、積極的にフィードバックするようにしています。

レートUpで、クライアントが得られるメリットを説明

これはレート交渉時に伝えた内容です。

交渉時に、「私は、これまでにこれだけのバリューを提供してきました」とだけ伝えても、レートUpにも直接つながらないかもしれません。

レートUpすることで、クライアントが何を得られるかは、過去のバリューを主張するだけでは足りないからです。過去のバリューは、過去のレートで清算済みと思われても当然だからです。

とはいえ、ミラクル級の何かが提供できるわけもないので、現在の私に追加でできることを2点加えました。

  • より多くのリソースを割けること
  • 緊急対応にも、より柔軟に対できること

翻訳レートUpには成功したものの、今ある懸念点

翻訳レートは上がったものの、逆に抱えることになった懸念点についてもお話しておきたいと思います。

それは以下の2点です。

  • 次回のレートUpできるかは疑問
  • 翻訳料の減少または契約終了の可能性

まだ私の翻訳レートは上がる余地はあると思っていますが、今のレートから2倍になることはなさそうです。となると、どこかで頭打ちになる可能性があるので、次回、今回と同じくらいのスパンでレート交渉に持ち込むかどうかは、十分に検討しなくてはいけないと思っています。

早々に頭打ちになっても、困るからです。

そして、私の翻訳レートが10%上がったことによって、クライアントが他の翻訳者探しをする可能性もなきにしもあらずです。

私にとって、とても仕事しやすいクライアントなので、仕事が減ることはあまり想定したくはないのですが、それはクライアントの自由なので、一翻訳者として何もできることはありません。

万が一、そういった事態になったら、新たなクライアントを探しに営業をするしか道はないですね。

まとめ

2年半かけて翻訳レートを20%Upできたことについて記事にしました。

今回の交渉時に、レートUpのために (実行し) 伝えたことは以下の3点です。

  • CATツールの導入
  • 受け取ったフィードバックに提案
  • レートUpで、クライアントが得られるメリットを説明

翻訳レートが上がったことで、自分の仕事が減るかもしれないという懸念はあるものの、そのときはそれを受け入れるしかありません。

とはいえ、自分のモチベーションを維持するためには、翻訳レートの交渉はとても大事だと考えています。

冒頭にも書いたとおり、黙っていてもレートは上がりませんし、フリーランスとして仕事をする上で、大事なステップでしょう。

当記事が、あなたの翻訳レートUpのお役に立てればと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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