副業を始めた方・フリーランスで働き始めた方向けの、クラウドソーシング大手のランサーズと、米国のクラウドソーシングUpwork についてのレビュー記事です。
副業でもフリーランスでの仕事でも、仕事はウェブで完結するものになりつつあります。時間が空いたときに、その時間でお金を稼ぎたいという思ったら、手軽に稼げてしまう時代なんですね。
便利。その一言に尽きます。
さて。
UpworkはOdeskだった頃から、ランサーズはフリーランスとして仕事をした当初から使っています。Upwork については、だいぶ休止期間があったのですが、フリーランスになったのを機に再開しました。今回はこの2つについてレビューを書いてみたいと思います。
ランサーズとは
日本では言わずと知れた、クラウドソーシングサービスを提供している会社です。
- 設立は2008年
- 登録者数は110万人以上 (2022年3月時点)
- 言語は日本語
- 登録は無料
- 仕事を受けるためにする「提案」 は無料。納品後、支払金額の2割を差し引かれる。
- 報酬の受取りは銀行口座へ (手数料が安く済む、楽天銀行がオススメ)
案件を獲得するにはスピード命
たとえば、日英・英日の翻訳の仕事は激戦区です。中国語、フランス語になってくると少し落ち着くのですが、英語の翻訳で仕事を取ろうとするのならば、仕事が投稿された瞬間に取りに行けるように、ランサーズの画面を常に開いておき、暇を見つけてはリフレッシュするのがポイントだと思います。
一つの案件に20件、30件も提案者が連なった場合、5番目くらいまでに提案をスピーディに入れていかないと、ほぼ発注者の目に留まりません。
ただ、翻訳は、英日であれば1ワード単位の見積もり、日英であれば1文字単位の見積もりで、結構シビアな世界です。
翻訳やWebサイト構築といったものは、スキルを持った人がとても多く、始めたばかりの人にとっては仕事を取ってくるのがとても難しいかもしれません。
ですので、私は、少し変わった仕事に、提案を入れるようにしています。英文法の解説、英語の発音の手本の提供、Webサイト構築に関連するトラブルシューティング、など。
こういったものの場合、他のフリーランサーは、通常と違う仕事に少しひるむのか、 多少提案のタイミングが遅れても、 結構間に合います。つまり提案が通ることが多いです。
ランサーズで獲得した継続案件
ランサーズでは、小さな単発案件の受注が多かったのですが、通訳案件で継続案件を得ることができました。
IT関連のお客様で、取引先との様々な会議にて通訳をさせていただきました。私自身、ITのバックグラウンドがあって、そのことについて自分のプロフィールに詳しく記載していたことが功を奏したのだと思われます。
経歴は書かないよりは書いた方がよいですし、シンプルに書くよりは詳細を書いた方がいいですし、ごく当たり前のことなのですが、ほんの少しの違いが、ひとにアクションを起こさせるか、留まらせるかを決定するのかということに気付いた一件でした。
結果的に、毎月ある程度の通訳案件のお仕事をいただくことができました。
フリーランスとして、このクライアント様との出会いは非常にありがたいものでしたし、通訳としての経験 (感謝されたことも、失敗したことも多々あり) がたくさん得ることができました。
今思えば、本当にありがたいご縁でした。
Upwork (アップワーク) とは
米国のフリーランス向けプラットフォームです。グローバルなサイトですので、世界各国から発注者と受注者が大勢集まります。
- 1999年設立 (Elanceとして1999年より、Odeskとして2003年より、Elance-Odeskとして2013年より)
- 登録者数は1,400万人 (Wikipediaより)
- 言語は英語
- 登録無料
- 仕事を受けるためにする「提案」にはConnectと呼ばれるコインのようなもの (毎月、一定量付与されるがなくなったら購入する) が必要。 さらに納品後、支払金額の2割を差し引かれる。
- 報酬の受取りはPayoneer、PayPal、銀行口座振込などなど
メリットは案件の豊富さ
登録者数がランサーズの比ではないので、仕事量が半端なく多いです。15分ほどサイトから離れていただけで、新着の案件が立て続けに出てくる、といったことも少なくありません。
Upworkの料金はピンキリ
ただ、世界を相手にしているだけあって、驚くほど単価が安いものが多くあります。時給換算で10ドルとか、ザラにあります。この金額から2割差し引かれることを考えると、マックでアルバイトをした方がいいのではないか、という考えがよぎります。
一方で、金払いが良い人もいて、15分ほどで終わる仕事でも10ドルだった、ということもあります。
一度、単発ではなく半年単位のプロジェクトで、週の拘束時間が40時間という仕事に遭遇したことがあります。よくよく話を聞いたら、時給15ドルとのことで大いにがっかりしたことがあります。
そのクライアントは日本人を欲していたようなのですが、フルタイムのフリーランサーでこの仕事を欲しがる人がいるんだろうか、と考え込んでしまいました。
登録者数も多いので激戦
登録者数が多いので、魅力的な案件があればやはり応募者が殺到します。
案件を勝ち取るには、あらかじめプロフィールを充実させておくこと。
あとは、ランサーと同じくスピード命で、素早く提案を出すということが一つのポイントです。
Upworkのクライアントと継続案件になった
現在、ランサーズもUpworkも継続して利用しています。
Upworkでは小さな単発案件が多かったのですが、継続案件になったのが2件あります。
1. 米国のクライアント (EC関連)
まず1社目ですが、こちらは世界各国でECサイトで物販をしている米国人のクライアントでした。
英日翻訳者を探しているということでしたので、Upwork上でジョブを見つけてすぐに提案を入れました。
オファーを受ける前に面談
Upworkでメッセージでやり取りをするうちに、一度会って話をしようということを提案されました。
私の方からは、Upwork上で先に発注をしてほしいとお願いをしたのですが、私のことをどういう人物かが分かっていないので、まだ発注はしないと返答されました。
顔合わせだけして終わりになる可能性は十分ありましたが、発注にこだわってチャンスを自ら潰すのももったいないと考え、発注なしの対面に同意しました。
結局、その数日後に都内某所で対面しました。米国から日本に出張に来るタイミングだったそうです。
半信半疑のまま
対面で話をした時点では、具体的な仕事の話はほとんどなく、どんなビジネスをしていて日本でどう展開するかという話をされました。日本進出にあたり、翻訳が必要なものが出てくる、ということだけ聞きました。
この時点では、受注できるのか半信半疑で、受注できなかったとしても情報を抜き取られたわけでもないし、失うものは何もなさそうだと考えていました。
ほどなくして受注
そして、その後どうなったかというと、クライアントが米国に帰国して少し経った後、翻訳や調査の仕事を予想以上にもらうことができたのです。こういった幸運があることに、心底有難いと思いました。
ちなみに、コロナの影響により、このクライアントからの仕事は2020年末頃に終了となりました。
2. 米国のクライアント (金融関連)
もう1つのケースも、米国のクライアントです。こちらは金融関係の翻訳仕事です。
こちらは、初めに翻訳トライアルを受けて、晴れて合格となりました。
トライアルの内容は、お客様へ送信される予定のメールを翻訳するというものでしたが、その後、継続的に受けた翻訳対象の文書は、メールの他に、ブログやQA情報など、多岐に渡るものでした。
また、専属のフリーランスとして、正式な契約書をもって契約を交わしました。
結局ランサーズかUpworkかどっち?
それぞれ特徴があるので、一言でこっちがいいとは言い切れないのですが、個人的にはUpworkを選択するべきだというふうに考えています。
やはり分母が圧倒的にUpworkの方が多いからです。
ランサーズもUpworkも、失礼ながらゴミみたいな案件は同じくらいの割合で存在していると思います。
ですが、案件の母数が多い方が受注者が選ぶ幅が広がりますよね。
その幅広い選択肢の中から、自分にマッチする仕事を選択できるというのは、大きなメリットだと思うのです。
もう一つ、Upworkを推す理由としては、これまで得た報酬金額はランサーズで得た金額より、Upworkで得た金額の方が2-3倍くらいになっています。
その差は、今後も広がっていくと思われます。
ただ、最初のうちは、2つを同時進行で利用しながら、割のいい方に絞っていくのがよいのではないかと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。