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フリーランス翻訳者が収入を上げる方法 | 私の過去1年の最高・最低月収

役立ち情報
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フリーランスとして独立して、2年以上が経過しました。

その間、翻訳業以外にも様々な仕事を経験してきました。フリーランスとして独立してからの期間を振り返りながら、過去1年の最高月収と最低月収について公開します (特定の1社のみ)。また、翻訳者としての収入を上げる方法について考察しています。

月収公開については特定の1社での収入のみ書いていますが、これから翻訳者を目指す方の参考になればと思います。

現在、バリバリ現役翻訳者として活動している方は、そんな時期もあったなぁ、くらいの温かい目で見てくださいね。

目次からジャンプできるので、気になるところだけ読んでくださいね。

この記事を書いた管理人について:
・フリーランスとして独立して2年以上
・翻訳専門分野:IT/ソフトウェア
・IT業界での経験20年
・TOEIC980点、英検準1級取得
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フリーランス翻訳者の料金相場

翻訳者の料金相場
翻訳者の料金相場

フリーランス翻訳者の料金相場はどうなっているのか、巷の情報をチェックしてみました。

信頼に値するソースのみ、列挙しています。

1. 日本翻訳連盟 (JTF)

日本翻訳連盟 (JTF) は翻訳に関わる企業、団体、個人の会員からなる産業翻訳の業界団体です。その団体が、翻訳料金の目安をサイトに掲載しています。

1.1. 翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安

日本翻訳連盟 (JTF) による、翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安を確認すると、翻訳料金について以下の記載があります。

文書の種類・分野–/–英日 (1ワードあたり)–/–日英 (1文字あたり)
コンピュータマニュアル 28円  20円
一般科学・工業技術   28円  21円
金融          30円  25円   
経営管理・財務・契約書 30円  25円
医学・医療・薬学    35円  30円
特許明細書       26円  30円

引用元:翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安
ここで注意しなくてはいけないのは、クライアント企業が翻訳会社に初めて翻訳を依頼する場合の翻訳料金であって、翻訳会社が翻訳者に支払う料金ではないという点です。

1.2. 第6回翻訳・通訳業界調査報告

さらに、上記のページとは別に、2021年6月9日にオンラインで行われた、2021年度JTF定時社員総会基調講演報告にて、「単価の推移」について言及があります。

個人翻訳者・通訳者に対して、アンケートを取った結果から以下の情報が得られたようです。

翻訳者(派遣アルバイト社員のぞく)の翻訳料金は、英日翻訳の場合、翻訳会社からの単価は7〜15円/ワード、ソースクライアントからの単価11〜23円/ワード

分野別では翻訳者とソースクライアントの平均値に明確な差が出ているようだ。日英翻訳の場合、翻訳会社からの単価は、5〜7円/文字が44%と最多。ソースクライアントからとあまり差がないようだ。

引用元:[イベント報告]第6回翻訳・通訳業界調査報告

なお、全回答者752名の内訳は翻訳者735名、通訳者140名 (うち翻訳・通訳兼業125名) とのことです。

一般女性
一般女性

翻訳者が受け取る金額は、1ワードあたり7円~23円と幅広いんだ。

2. 翻訳者ネットワーク アメリア

翻訳者ネットワーク アメリアは、会員になると、翻訳関連に特化した仕事へアクセスできたり、カウンセリングを受けられたり、会員ならではの特典が受けられます。

アメリアのサイトを確認すると、上記の日本翻訳連盟で定められている原文1ワードに対する単価の目安を引用しつつ、そちらの目安はクライアントとなる企業が翻訳会社に業務を依頼する場合の単価=翻訳発注価格が基準となっていると明記しています。

一般男性
一般男性

その目安の金額は、クライアントが翻訳会社に支払う金額だから、翻訳者が実際に受け取る金額ではないってことだね。

翻訳者の年収は?時給、日収、月収から見る期待できる収入」のページにて、翻訳者個人への支払いの目安は以下のようになる、と記載しています。

1. 英語の原文1ワード(単語)に対して〇円という「原文」ベース
1ワードあたり:7円~15円

2. 訳出しした日本語400文字(原稿用紙1枚)あたりで〇円という「訳文」ベース
原稿用紙1枚につき:1,000円~3,500円が相場となります。

引用元:翻訳者の年収は?時給、日収、月収から見る期待できる収入
一般女性
一般女性

翻訳者ネットワークアメリアに記載されている1ワードあたりの単価と、2021年度JTF定時社員総会基調講演報告1ワードあたりの単価は、7円~15円で同じね。

原文ベースの場合、日本翻訳連盟の案内している「クライアント企業が翻訳会社に初めて翻訳を依頼される場合の翻訳料金(翻訳発注価格)の目安」が英日翻訳の場合、28円から35円となっているので、引き算をすると、翻訳会社の取り分は1ワードあたり20円前後と言うことが分かります。

3. 翻訳ジャーナル2019年夏号

翻訳ジャーナルは、2月、5月、8月、11月の21日発売の季刊誌で、1992年に創刊。通訳と翻訳に関する情報を扱っています。

翻訳ジャーナル2019年夏号では、ワード単価の記載は確認することができませんでしたが、年収は以下のようにアンケート結果についての記載がありました。

産業翻訳者の年収 (回答者115人) のうち、
・平均411万円
・男性496万円
・女性381万円
・専業の翻訳者のみ471万円
・多数を占めるのは、200-500万円

引用元:翻訳ジャーナル2019年夏号
一般男性
一般男性

平均を見ると、ちょっと低めだと感じるなぁ。

翻訳料の相場について、3種類のソースからご紹介させていただきました。

予想通りでしたでしょうか?

はたまた予想外でしたでしょうか?

私の過去1年の最高月収・最低月収・平均月収

私の過去1年の最高・最低月収、平均月収
私の過去1年の最高・最低月収、平均月収

さて、私の過去1年の最高・最低月収・平均月収についてもご紹介しますね。

統計ばかり見ていても、個別の収入って見えてこないですし、全く現実味がわきませんよね。

なお、こちらに記載している私の月収情報は、特定のクライアント1社 (仮にZZZ社としておきます) についてのものです。私の収入全体についての情報ではありませんので、あらかじめご了承ください。

2021年4月から2022年3月の1年間で、ZZZ社から受けとった最高月収は3,300ドル、最低月収は680ドル、平均月収は1,560ドルでした。(※米ドル)

私の過去1年の最高・最低・平均月収 (ZZZ社のみ):
・最高月収3,300ドル
・最低月収680ドル
・平均月収1,560ドル

1社からの平均月収が毎月1,500ドルを少ないと見るか、多いと見るか・・・。

フリーランスを雇うメリットと、フリーランスでいることのメリット

一般女性
一般女性

翻訳の売上としては、ちょっと少ないんじゃない?

上記の最高月収、最低月収をご覧の通り、このZZZ社1社からの収入では、まったくもって生活が成り立たないことがお分かりいただけると思います。

私は、ZZZ社以外からの翻訳業務、翻訳以外の業務等、さまざまな仕事をしていますが、

1社だけで3,300ドルを達成できた月は、この上なくありがたく感じましたが、700ドルに満たない月はやっぱり厳しいーー!

とはいえ、翻訳会社がフリーランスを採用する理由は、必要なときに翻訳作業をしてもらい、必要ではないときにはコストをセーブできるという柔軟さを享受するためです。

一方、フリーランス翻訳者にとっても、直接雇用関係を結ばずに、フリーランス契約にもとづいてお仕事ができるということは、他のクライアントとも仕事ができる自由があることを意味しています。

一般女性
一般女性

フリーランスの働き方が合ってるなら、それでよし!

翻訳作業の少し具体的な情報

ちなみに、ZZZ社とのお仕事についてのもう少し具体的な情報は以下の通りです。

翻訳会社を通さずに、直接契約をしています。

なかなか、直接契約できる機会はないので、運がよかったとしか言いようがありません。恵まれていることに感謝です。

・IT/ソフトウェア分野
・米ドルで受け取り
・直接契約 (翻訳会社を通さず)
・実務翻訳 (メール、企業ウェブサイト、利用者向けウェブページ等を翻訳)

フリーランス翻訳者として収入を上げる方法

フリーランス翻訳者として収入を上げる方法
フリーランス翻訳者として収入を上げる方法

ここまで、フリーランス翻訳者の料金相場と、私の過去1年の実績を見ていただきました。

ここからは、フリーランス翻訳者として収入を上げる方法についてご紹介したいと思います。

収入は会社員だろうとフリーランスだろうと、一朝一夕で上がるものでも、黙っていても勝手に上がるといった類のものでもありません。

でも、フリーランス翻訳者として収入を上げるための役立つ方法というのは存在すると考えています。

1. 収入を上げるための前提

まず最初に、ごくごく当然のことを書きますね。

収入を上げるための前提2点:
・スキルアップ
・翻訳時には徹底的に調べる

翻訳は原文と訳文の2つの言語スキルが必要ですが、外国語・母語に関わらず、継続的なスキルアップはとても大事です。

加えて、意味に通じる訳文にするために、自分が理解した上で翻訳する、というのもとても大事です。

 以上2点は、ごくごく翻訳者として当たり前のことですので、一番初めに書きました。

2. 単価を上げる交渉

続いて、単価を上げる方法についてです。私はZZZ社との取引が始まったとき、翻訳料の相場というものをしっかり把握していなかったため、このくらいかな?という自分の感覚にもとづいてワード単価を決定しまった、という経緯があります。ですので、時機がきたら、単価を上げる交渉をしよう、と心に決めていました。

クライアントからしたら、結果の出していないフリーランス翻訳者のレートを上げてやる義理もないわけで、フリーランス翻訳者とクライアント双方にとって、意義のあるレートアップに持っていかなくてはいけません。

以下の記事で、レート交渉をしたときのことについて書いています。よろしければどうぞ。

3. 案件を増やすための努力

積極的に翻訳会社のトライアルを受ける、クラウドソーシングの案件に応募するなどして、翻訳案件を増やしていくこともしていきましょう。

なお、翻訳者ネットワーク「アメリア」 は、会員になるには、入会金5,000円、年会費16,500円 (いずれも税込) が発生します。

ただし、アメリア会員になることで、以下のメリットが得られます。資料請求も可能ですので、ぜひアクセスしてみてください。

・求人情報 (年間1,500件以上) の閲覧・応募ができる
・翻訳のスキルアップに繋がるコンテンツへの応募
・翻訳業界に関する最新情報の収集
・専任スタッフのサポートが充実

語学力や専門知識を活かせます

4. 工数を下げるための工夫

収入を上げる、という話になるとどうしても、量をこなす、価格そのものを上げる、という方に目が行きがちです。

でも、工数を下げるための工夫については、すっかり抜けてしまうことが多いです

私は人力というのを半分信じていて、半分信じていません。なぜなら、人間はAIにできない微妙な匙加減ができる一方で、機械的に連続して同じ作業を行うとか、複雑な計算を行うといったことは苦手だからです。

管理人
管理人

機械が得意なことは、機械にまかせちゃう!

だからこそ、人間より優れた結果を出せるなら、ツールを積極的に活用していくべきだと考えています。

そのツール群を以下にご紹介しますね。

翻訳支援ツール

CAT (Computer Assisted Translation) ツールとも呼ばれるものです。 1) 以前に翻訳した原文と訳文を呼び出せる翻訳メモリ機能、2) 用語をリストにした用語集、そして 3) 機械翻訳と連携できる機能、の3つが、翻訳支援ツールの主な機能です。

代表的な翻訳支援ツール:
Memsource
Trados 
memoQ

Memsourceなら無料で利用できます。以下の記事をご参考にどうぞ。

以下の翻訳ツール大全集には、Memsource、Trados、memoQについて詳しく書かれています。

発売が2017年と少し古いのですが、概要を見るだけでも参考になりますよ!

Memsourceを使って良かった点3選:
・過去の翻訳をWindows Explorerで検索しなくてよい。←翻訳メモリで呼び出せる
・用語集の用語を見落とさなくなった
・DeepLと連携できるので、翻訳スピードが格段に上がった

管理人
管理人

もっと早く使い始めておけばよかった・・・!

注意:
Memsourceを使わずに翻訳したときの訳文は、翻訳メモリに入っていないので、手動でWindows Explorerやmigrep2などで検索する必要があります

機械翻訳 (DeepL)

そして、機械翻訳についてです。

一般男性
一般男性

機械翻訳を翻訳者が使うなんて、どうなの?

翻訳者が機械翻訳を利用することについて、賛否両論あることは承知しています。

ただ、機械翻訳というツールを正しく活用してこそ、正しい結果が得られると私は考えています。

数年前までGoogle翻訳が主流でしたが、DeepLが出現し、あっという間に機械翻訳に対する常識がくつがえされました。

私が思うDeepLのよいところは以下です。

DeepLのよい点:
・私の持っていないボキャブラリーで訳してくれる
・機械的に置換できるところを一瞬で実行してくれる

1つ目については、その表現、聞いたことはあるけれど、自分で使ったことがなかった・・・というようなものを出してくれるところです。

2つ目については、たとえば、AAA, BBB and CCCといった原文を、AAA、BBB、およびCCCといった訳文にしてくれます。

カンマ+スペースを句点に変換するのって、結構地味に面倒ですよね。加えて、文字列にハイパーリンクが入っていたらなおさらです。

過信は禁物

ただし、機械翻訳はあくまでも機械翻訳なので、過信は禁物です。

翻訳者は自分なので責任をもって全文確認しましょう。

DeepLに関するオススメ記事

以下の2つの記事で、DeepLについて解説していますので、どうぞご覧ください。

Wordマクロ

最後にWordマクロです。一括置換ツールとして使用します

例えば、以下の用語集があるとして、アメリカ50州が原文にまんべんなく出現しているとしたら、どうしますか。

En-usJa-jp
Maineメーン州
New Hampshireニューハンプシャー州
Vermontバーモント州
Massachusettsマサチューセッツ州
Rhode Islandロードアイランド州
Connecticutコネチカット州
New Yorkニューヨーク州
New Jerseyニュージャージー州
Pennsylvaniaペンシルベニア州
以下続く以下続く
米国50州の名称をどう翻訳するか

上で少し説明したCATツールのMemsourceを利用して、登録済みの用語集の通りに訳すのも一つの手です。

ただし、それだと、用語集の用語を反映するかどうかの判断が手作業になるので、出現している数の分だけ、手作業が発生するので、Wordマクロの方が早くて正確です。

管理人
管理人

マクロをセットしたら、数秒で置換が完了するよ!

手で翻訳するより、はるかにスムーズ!

以下の記事で、Wordマクロを組み込んで、大量の単語を自動で一括変換する手順をご紹介しています。ぜひご覧ください。

5. 日本円と外貨に分散

これは、小手先のテクニックになるのですが、日本円と外貨の両方で、収入を得られるようにしておくのがオススメです。

円安のときはドルを持っていた方がオトクですし、円高のときは日本円を持っていた方が安心です。

外貨で報酬を受け取るには、Payoneerがオススメです。

アカウント開設は無料でできますので、以下の記事をご参考にしてみてください。

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無料でアカウント開設できます

まとめ

翻訳者の収入の相場、私の実際の収入を当記事でご紹介しました。

多いと感じたでしょうか?それとも少ないと感じたでしょうか?

後者の感想を持った人が多かったかもしれません。

収入については、黙っていても上がることはありませんが、ご紹介した方法が少しでも翻訳者としての収入アップにつながればと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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