日々、一生懸命、英語を勉強しているみなさん。映画を見たり、ポッドキャストを聞いたり、YouTube を見たり、いま世の中には色々な方法がありますよね。
でも実際は、インプットよりアウトプットの量を増やしていくのが、英会話上達のコツです。
私はいま、社会人の方に、マンツーマンで英会話を教える仕事をしています。通常、10年間ほどは、英語学習をしてきているわけで、「これから受動態を学習しましょう」「今日は、完了形のパターンについてやりましょう」とか、今更感が半端ないですよね。基本的に社会人は忙しいですので、例えば、中学英語の3年分の学習内容を再度おさらいする時間すら、もったいないですね。
よって、英語学習のインプットはもうすでに十分に行われていて、あとはそれを引き出す (= アウトプット) 練習の方が重要ではないかと考えています。
ですので、マンツーマンで、こちらから何か交渉ごとのネタを提示して、ロールプレイをし、相手をどうにかして説得して、ゴールまでもっていくというような会話の練習を生徒さんとしています。その中で、過去にインプットされていたはずの情報をうまく引き出せないという事実を直視してもらい、引き出してほしかった情報を提示し、それと併せて、文法、新しい単語、言い換え表現、発音の練習などを付随的に行っています。
自分が何を話したか、必死なときほど記憶にない
これは私自分にも言えるのですが、転職の時の面接、資格試験の時の面接など、必死なときほど、自分が具体的にどんな言葉を放ったのかだいたい忘れています。おおよその内容は覚えていると思いますが。
例えば、会話が噛み合っていないと感じた例は、下記の通り。
How are you?
I’m good. And you?
Thank you.
このとき、即座に私が「おぉぉい!何にありがとうなの?」なんて発せずに、平静を装って会話を続けられたのは、運が良かっただけなのですが、それはさておき、冷静になれば、”And you?” の受け答えが “Thank you.” なんてことはあり得ないのですが、ここはすでにロールプレイが始まった後の挨拶でしたので、生徒さんはその後に続くシナリオに必死になっていたため、挨拶には心ここにあらずの状態でした。
ですので、ロールプレイが終わったあとに、生徒さんがどんな発言をしたのか、できるだけ細かにフィードバックします。全部を書き取るのは不可能ですが、会話しながら、生徒さんが何を言ったかメモを取るのはとても難しいというわけではありません。
たいていフィードバックしても、思い出せない
私からの問いかけに対し、あなたはこういう回答をしていましたと教えてあげても、「えっ、そんなこと言いました?」という返答が返ってくることが多々あります。無意識なのですね。ですので、その無意識に意識を向けてもらうお手伝いをするわけです。
また、学習中の外国語の場合だと尚更ですが、頭の中で文の構造を組み立てながら、話をしますが、動詞を飛ばしてしまったり、he が she になったり、his が he になったり、最終的に文の構造が正しく出来上がったのか、出来上がってないのか、本人には分からないことがあります。そういった場合も、言い直した部分も含めて、発言をメモし、フィードバックします。
たいていの場合、焦っていたことは記憶にあって、何を話したかは記憶が定かではないので、その場では口頭で説明をしつつ、後でメールで正しい英文を送ります。
フィードバックと反復練習が上達への近道
何でもそうなのですが、1 回目よりは 2 回目の方がうまくできます。一度言われたことはたいてい記憶に残っているはずで、2 回目のときに、1 回目の記憶が呼び起こされれば、一歩前進です。
例えば、これがグループレッスンだったら、人によっては話す機会が少ない、フィードバックがあまりない、一方で、情報量はそれなりに入ってくるので、十分話した気分になってしまうことがあると思います。
世の中には色々な英語学習ツールが沢山ありますが、実際に使って、自分ができるポイント、できないポイントを把握するのことも、とても大事なことだと考えています。
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