2022年も終わりに近づいているので、本年の翻訳作業の売上について確認をしてみました。
感覚的には、2021年と2022年の売上に大きな変化はなく、営業活動をして、もっとパイを大きくしていかないといけないかなと思っていました。
が、実際に数字を割り出してみると、2021年と2022年の売上を比較してみたところ、約40%アップしていることがわかりました。
40%アップの要因3つ
それでは、具体的に何が要因で40%アップになったのかを見ていきたいと思います。
要因は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 翻訳作業量 (ワード数) 増加
- ワード単価アップ
- 円安ドル高
自分で制御できるものと、制御できないものがありますが、2022年は比較的恵まれた状況だったというのが率直な感想です。
翻訳作業量 (ワード数) は、クライアントのプロジェクト状況に大きく依存しますし、円安ドル高は世界や日本の経済情勢に左右されます。
自分で制御できるものとして、ワード単価交渉をして、レートを上げてもらえたことは、非常に良かったと思っています。
以下にて、詳しくみていきます。
1. 翻訳作業量
以下の一覧のとおり、2021年と2022年の翻訳作業量、校正作業量を比較すると、ともに増加傾向でした。
年 | 翻訳 | 校正 (proofreading) |
2021年⇒2022年 | 1.15倍 | 2.34倍 |
ただ、クライアントからの依頼ベースで翻訳作業をするので、翻訳者の努力で制御できるものではありません。
それでも、作業依頼が立て込んだときに、効率よく作業をこなせるように、あらかじめ作業効率化をはかっておくことは重要だと考えています。
私は、翻訳作業を効率よく行うために、CATツールのPhrase (旧Memsource) を使用しています。
CATツールには、用語集の適用、翻訳メモリの蓄積・利用など、効率化のためにはなくてはならない機能が大活躍しています。
Phrase (旧Memsource) については以下の記事をご参照ください。
2. ワード単価アップ
ワード単価は、黙っていてもクライアントは上げてくれません。
ワード単価を上げてもらう交渉をするには、時間をかけて用意をする必要があります。
2021年秋と、2022年秋のタイミングで、ワード単価アップの交渉をしており、いずれも功を奏して、それぞれ10%アップを勝ち取ることができました。
以下の記事にて、詳細をまとめていますので、ご参考にしていただければと思います。
このワード単価アップについては、自分の努力と交渉次第で動かせるものなので、ここに力を注ぐとプラスに働くことが期待できます。
逆にいえば、他の2点 (翻訳作業量、 為替レート) はどう頑張っても変えられません。よって、この2点は、ほぼ神のみぞ知る、ということになります。
3. 円安ドル高
翻訳作業の収益を日本円ではなく米ドルで受け取っています。
ご存じのとおり、2022年は円安ドル高が急速に進んだ年でした。
年 | レート |
2021年 | 1ドル=109.7543円 |
2022年 | 1ドル=131.1414円 |
2021年から2022年のドル円レートを比較すると、1.195倍ほどになっています。
なお、2022年で最も円安だったタイミングが、2022/10/20の1ドル=150.19円です。
このタイミングで2022年の米ドル収益をすべて日本円に両替できていたら……という妄想をすることさえあります。
とはいえ、この1.195倍という急激な円安ドル高のおかげで、大きな恩恵を受けることができたことは事実です。
米ドルで翻訳の報酬をオトクに受け取る方法
米ドルで報酬を得るには、それのための決済ソリューションを手元に用意しておくことが大事です。
私が利用しているPayoneerは、以下のフリーランス向けプラットフォームでの決済ソリューションとして指定することができます。
報酬の受取り通貨を、日本円以外に分散しておくことは、リスク回避の観点から非常に重要です。
円安のときは、円以外で受け取った方が多くのお金を手元に残すことができますし、円高のときは、円で受け取った方が、オトクになります。
今後、円安ドル高が続くとも限りませんし、未来は誰にも分かりません。
早めに、米ドルで報酬を受け取る準備だけはしておくのがオススメです。Payoneerでは、米ドル以外の通貨、ユーロや英ポンドでも受け取りが可能です。
2022年翻訳作業の売上が前年度比40%アップした要因3つ・まとめ
2022年の締めくくりとして、翻訳作業の売上が前年比40%アップした要因3つをご紹介しました。
その3つとは以下のとおりです。
- 翻訳作業量
- ワード単価アップ
- 円安ドル高
自分で制御できるものと、制御できないものがありますが、半分は運を天にまかせつつ、残り半分については、できる対策をあらかじめ打っておくと、期待する結果が得られるかもしれません。
そろそろ、米ドルで報酬を受け取る準備をしておきませんか。
きっと将来、あのとき準備をしておいてよかった……!と思えるかもしれませんよ。