フリーランスで翻訳をしている私にとって、機械翻訳ツール DeepL と、CATツール Phrase (旧Memsource) は絶対に手放せないツールとなりました。
とはいえ、こんな便利なツールがあって本当に良かったと思う反面、フリーランスとして削れるコストは削っていくことも必要なので、このたびDeepLプランの見直し (ダウングレード) を行ないました。
というのも、2023年4月がちょうど、使用していたDeepLプランの1年更新のタイミングだったからです。
そのまま放っておくと、次の1年分が自動更新となりますが、ダウングレードするのはこのタイミングがチャンスなのでした。
DeepL Pro Starterにダウングレードした理由
トータルで約7,000円のコストセーブになったから
DeepL Proをダウングレードし、Phrase (旧Memsource) のアドオンを追加することで、トータルで約7000円のコストセーブになることが分かったからです。
DeepL Proのプラン変更をするにあたり、念頭にあったのは、以下の使い方履歴でした。
- 2021/7……DeepL Pro Starterを使用開始
- 2022/3……Phrase (旧Memsource) 無料版を使用開始
- 2022/4……DeepL Pro Advancedにアップグレード (←Phrase (旧Memsource) を組み込みたかったため)
- 2022/9……Phrase (旧Memsource) を有料版にアップグレード (←無料版提供が終了したため)
DeepL Pro、Phrase (旧Memsource) の順で使用開始し、やがて、両者を組み合わせて使用するようになり、ほどなくして、Phrase (旧Memsource) の無料版提供が終了して、有料版にアップグレードしたという経緯がありました。
実は、DeepL ProとPhrase (旧Memsource) を組み合わせて使用するには、2つのパターンが存在します。
今回は、2つのパターンのうち、安い方のパターンに切替えることにしました。
変更前後のDeepLとPhrase (旧Memsource) のプランと料金
DeepL とPhrase (旧Memsource) を組み合わせて使用することで、機械翻訳を組み込みながら、CATツール上で翻訳をすることができます。
つまり、別々に使わなくて済むということです。
2つの組み合せパターンをご紹介する前に、DeepL Pro とPhrase (旧Memsource) のメリットをご紹介します。
機械翻訳のメリットは以下のとおりです。
- 速い
- 精度は悪くない (※)
- 一人の人間より語彙力が豊富
- 機械的に変換可能なところを手動でやらずに済む (例:カンマ (,) を読点 (、) に変換、ハイパーリンク化)
一方、CATツールのメリットは以下のとおりです。
- 用語集の用語を検知・適用できる
- 翻訳メモリを蓄積できる
- 検索・置換が思いのまま
- QAツールを実行できる (設定も思いのまま)
- html、MS Word、MS Excel、srtファイルなどファイル形式に制限なし
2つの組み合せパターンは、以下のとおりです。
今回は、下図の上段のパターンから、下段のパターンへ変更しました。
DeepL | Phrase (旧Memsource) |
Phrase アドオン |
合計金額 |
|
変更前 | DeepL Pro Advanced 30,000円/年 |
313.20ドル/年 | なし | 70,716円/年 |
変更後 | DeepL Pro Personal 12,000円/年 |
313.20ドル/年 | 84ドル/年 | 63,636円/年 |
DeepLのプランは、AdvancedからPersonalにダウングレードすることで、18,000円のコストセーブになり、Phrase (旧Memsource) は、アドオンを追加 (※これにより内部からDeepLを呼び出せる) することで、10,920円のコストアップになり、合計して7,080円のコストセーブになりました。
- DeepLのプランは、AdvancedからPersonalにダウングレード (18,000円↓)
- Phrase (旧Memsource) は、アドオンを追加 (10,920円↑)
- トータルで、7,080円↓
年間7,080円のコストセーブになりましたが、前述のとおり、変更前の使用方法と変更後の使用方法では便利さは変わらず、まったく支障は出ていません。
むしろ、Phrase (旧Memsource) のアドオンを有効にしたことで、DeepLのみならず、他の機械翻訳エンジン (MTエンジン) も使えるので、より便利かもしれないくらいです。
- DeepL ←使用中
- Amazon Translate
- Google Translate
- Microsoft Translate
- Phrase NextMT
- Rozetta T-400 Realtime
- テンセント
- Alexa Translations A.I.
- Autodesk NMT
- Lengoo HALOAS
- NpatMT
- Ubiqus NMT
- ヒューマンサイエンス
- ヤンデックス
今のところ使っているのは、DeepLだけです。
他のMTエンジンの精度をテストしている時間がないので。
DeepL Pro Starterにダウングレードする手順
DeepL Pro AdvancedからDeepL Pro Starterへダウングレードした手順、Phrase (旧Memsource) 側でのアドオン追加手順は、以下のとおりです。
- ステップ1DeepLにログイン
- ステップ2[プラン] → プラン変更にある [ダウングレード] をクリック
- ステップ3料金、支払い方法を確認し、[ダウングレード] をクリック
- ステップ4Phrase (旧Memsource) にログイン
- ステップ5左手メニューから [Phrase Translate] をクリック
- ステップ6プランの下に表示されるアドオンにチェックを入れ、[進む] をクリック
- ステップ7支払い情報を確認し、[進む] をクリック
- ステップ8内容を確認し、[チェックアウト] をクリック
- ステップ9次の画面で、[Proceed to Checkout] をクリック
- ステップ10次の画面で、[Pay] をクリック
DeepL Pro Starterにダウングレードした理由と手順・まとめ
当記事では、DeepL Proをダウングレードした理由と、その手順についてご紹介しました。
トータルで約7,000円のコストセーブになったから
手順については、ざっくり言うと、以下の3ステップです。
- DeepL Proをダウングレード
- Phrase (旧Memsource) のアドオンを追加で購入
- Phrase (旧Memsource) 側で、Phrase Translateを有効化
世界的に物価が上昇する中で、コストはカットできるものはできるだけカットしたいですよね。
年間7,080円は大金とは言えないかもしれませんが、「チリツモ」と考えれば、今回のDeepL Proのダウングレードは、なかなか有効な方法だったのではないかと考えています。