ロシアによるウクライナ侵攻で始まった戦争はまだまだ終わる気配がありません。
早く終わってほしいし、ウクライナの明るい未来を願わずにはいられません。
今日は「ウクライナ」と翻訳に関係した出来事についての記事です。
翻訳が必ずしも人の役に立つわけではない、というお話です。
翻訳によって、不利益を被る人がいるのなら、何をすべきか・何をすべきでないかを考えさせられました。
偶然目にしたあるアプリケーションの広告
私は基本、ニュースはスマホのブラウザで見ています。
アプリを使用しないのは、ニュースを見る分にはブラウザで事足りるのと、インストールするアプリを増やしたくないという理由からです。
あるとき、何気なくニュースを見ていて、あるアプリケーションの広告が目に留まりました。
このアプリケーションの翻訳をやりたい、と思い、その企業にコンタクトを取りました。
連絡先として選択したのは、インスタグラムです。
メールアドレスよりは、気軽に連絡がとれると考え、私用のインスタグラムアカウントより、その企業のインスタグラムアカウント宛に、英語でDMを送りました。
翌日には返信があり、ポートフォリオかCV (職務経歴書) をメールで送ってほしいと、送信先のメールアドレスを教えてもらいました。
アプリケーションを開発していたのはウクライナ企業
インスタグラム宛にコンタクトを取る前に、色々調べた結果、アプリケーションを開発していたのはウクライナ企業であることが分かりました。
企業のウェブサイトのデフォルト言語がキリル文字で表示されていたため、最初はロシア企業かと思いました。
表示言語を英語に切り替え、所在地を確認したところ、キーウの文字が確認できたので、ウクライナ企業であることが分かりました。
そこで、がぜん、この企業のために翻訳をやってみたいと思ったわけです。
アプリケーションについても調べた
ウェブ広告からは、スキャンアプリであることは分かりました。
スマホにはカメラがついているので、スマホにスキャンアプリを入れておくと何かと便利です。
たとえば、
- 紙の書類をPDF化して保存
- 雑誌の一部のページを画像化して雑誌は廃棄
- 身分証をスキャンして提出
などなど。
単に写真を撮ると歪みの補正はできませんが、スキャンアプリを使用すると、きちんと長方形 (または正方形) の画像やPDFデータとしてデータを残すことができます。
またカラー、白黒、写真などといった保存方法も選択ができ、とても便利です。
少し脱線しましたが、スキャンアプリは様々なものが世に出回っていて、かなり競争が激しくなっていそうだと言えます。
レビュー内容はネガティブなものが多く、評価が低い
企業について調べた後、そのウクライナ企業のアプリについても調べてみたところ、日本語・英語ともにネガティブな口コミが多数ありました。
- 要注意な有料アプリ
- 知らない内に課金されていた
- 有料アプリです。使用頻度を考えて入れましょう。
- Just use Genius Scan Instead…
- Horrible App!
- Gives a 7 day trial, but it’s NOT FREE!
Justuseapp.comでのそのアプリの評価を見ると、「評価しない (disapprove)」が79.5%でした。
アプリは無料だがアプリ内課金あり
App Storeの当該アプリのページを確認してみると、アプリそのものは無料となっていますが、アプリ内課金がさまざまな名目で設定されています。
一見して、それぞれのプランがどう違うのか全く識別ができません。
「Premium」にいたっては、5個もあります。
アプリが週次で課金されることの意味
App Storeのアプリ紹介ページの情報では要領を得ませんでしたが、どうやらユーザーの不満は以下の点でした。
- 課金をしないと使いにくいアプリである
- 最初の無料期間7日を超えると週次で課金が始まる (週約7ドル)
「最初は無料で」というのは問題ないとして、週次で課金されることの意味って何でしょうか。
週7ドルで、そのまま3ヵ月使用したとすると、91ドルです。
3ヵ月で91ドルの課金が果たして、正当なものなのか……考え込んでしまいました。
当記事の「アプリは無料だがアプリ内課金あり」のセクションに記載した、「アプリ内課金の料金」には、一番高い「Lifetime Access」というものがあり、7500円となっています。
おそらくその名の通り、一度購入すれば一生使用できるプランだと思われます。
一生使えて7,500円なのに、1週間でそ10分の1を課金することの正当性が理解できませんでした。
むしろ、口コミにあるように、「知らないうちに課金」することを目的にしているのではないかと疑いの目で見るようになりました。
結果
結果として、このウクライナ企業に対してCVもポートフォリオも出すのはやめにしました。
私が翻訳者として採用されるかは別として、私が翻訳者として関わることで、知らないうちに課金されることに加担したくない、と考えたからです。
ウクライナ企業だから、心のどこかに助けたい・助けになりたいという心理があったのは確かで、その一方で、人の役に立つ翻訳をしたい、という気持ちは持ち続けたいと思った出来事でした。
このウクライナ企業を新たなクライアントとして獲得できたら、その出来事を記事にしようと思っていたくらいで、まさか反対のことを書くことになるとは思いもよりませんでした。
今後も、どんなことをしているクライアントなのかきちんと調べた上で仕事をしようと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。